なぜ猫も杓子もリラ買いなのか。今後のスワップ派対象通貨を考える②
前回更新①ではトルコリラや南アランドの新興国通貨に対する不安と、これからの期待通貨としてドルをあげてみました。
ただ、リラやランドのメリットもあり、そもそも、どちらが「良」、どちらが「悪」という単純なものでもないと思っています。では、投資対象としてはどちらを選ぶできでしょうか。
たまごは一つのかごに盛るな
先人は上手く言ったもので。
結局、コレに尽きるんじゃないでしょうか。
自分の保証金と目標とする年利を考えて、リラ・ランドなど新興国高金利通過に配分する割合と、金利は劣るが安定性のあるドルなどに配分する割合で考慮するのが理想なのかなと思います。
安定通貨とは言え、金利の低いドルだけでそれなりのスワップポイントを発生させようとすれば、それなりの資金量、または高レバレッジが必要です。一方高金利のリラやランドは高スワップですが、新興国や地政学上のリスクが高い先行き不透明感があります。
なんともベタな話になってしまいましたが、やはり魔法のような手段はなく、「地味に」「安全に」「分散投資」これに勝るものは無いのかも知れません。
冒頭にも書きましたが、どうしても高金利通貨=高スワップポイントに魅せられて、スワップ派はリラやランド一辺倒に成りがちです。
特にこの10年を通じて感じたのは、FXを始めて間もない初心者の方ほど高レバレッジでリラやランドだけを買っているイメージです。
そしてクロス円特有の「コツ、コツ、ドカン」の「ドカン」で退場になると言うパターンです…。
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私の新興国投資状況
私は毎月一回、自身の全ポジション状況をキャプチャー付きで公開していて、2016年11月時点でのポジションは総合すると次のようになっています。
各社合計の通貨別ポジション
- USD/JPY 売 1.5枚 平均103.89円
- USD/JPY 買 1.1枚 平均 98.13円
- NZD/JPY 買 1.1枚 平均 59.50円
- AUD/JPY 買 0.2枚 平均 96.50円
- ZAR/JPY 買 11.1枚 平均 11.22円
- TRY/JPY 買 9.4枚 平均 50.69円
このうち売りの1.5枚は裁量短期なのでいったん除外します。
そしてFX全投資額で各通貨が占める割合を考えると…
通貨 | 保有枚数 | 平均取得価格 | 投資金額 (円) | 投資金額 合計比 |
USD | 1.1 | 98.13 | 1,079,430 | 14% |
NZD | 1.1 | 59.5 | 654,500 | 8% |
AUD | 0.2 | 96.5 | 193,000 | 2% |
ZAR | 11.1 | 11.22 | 1,245,420 | 16% |
TRY | 9.4 | 50.69 | 4,764,860 | 60% |
あちゃー。トルコリラとランドだけで約80%を占めています。「お前自分で言っておいて、一つのかご(新興国)に盛りすぎやん!」って感じですね(汗
ただ、私は大きな追加入金でもできない限り、これ以上リラやランドを購入する気はありません。2016年7月にはリラとランドで合計3.3枚、20万近い損切りをしています。これは強制ロスカットではなく、保証金とポジション保有量を鑑みての損切りです。
理想を言えばもう少しリラの保有量を減らしたいところですね…。
今後はスワップや少しずつの追加入金で余力が発生したら、コツコツとドルを建てていこうと考えています。
長期スワップ派は年利10%~15%が塩梅か
投資対象や投資比率を含め、「投資はあくまで自己責任で」は大原則・鉄則です。
また、人それぞれのライフスタイルや資産状況も異なりますから、取れるリスクは変わってくる筈です。
ただ、一般的に考えて長期スワップ派としてFXをやっていく場合、年利10%、高くても15%が限界かなと感じている今日この頃です。
細かい計算方法については割愛しますが、2015年のトルコリラは一万リラ保有に対しておよそ100円程度のスワップポイントが発生していました。
レバレッジ一倍で運用しても約8%の年利、三倍で運用すれば脅威の24%です。
もちろんトルコリラをレバレッジ三倍で運用することに、私は大反対です。あり得ないと思っています。あくまで数値上の話です。
この上で、ドルが平均110円程度のレートを保って、今後徐々に金利があがると想定し、一万通貨50円程度のスワップポイントが発生するようになれば、レバレッジ一倍で約1.5%の年利です。
ものすごく雑な計算ですが、こう考えると、レバレッジ1.5倍で運用し、安定通貨ドルと新興国高金利通貨リラ、ランドに分散投資しても10%程度は確保できるように思えます。
逆に言えば、それ以上の年利を得ようとすると無理が生じるのではないかと考えています。つまり年利10%~15%以上を求めて勝負するなら、スワップ派以外の道を行くべきだと私は思います。